江南水郷紀行・蘇州

Su zhou

上海駅


軟座乗車券20元(約300円)

蘇州は特に何処を見たいという目的はなかった。

庭園も寺も公園も、中国を旅すると、必ず訪れるから、特に、蘇州はこれからも来ると思うのでその時にとっておいてもいいか、そんな気持ちで訪れた。

それより、鉄道を個人で利用してみたい。という気持ちのほうが強く、鉄道で、日帰りが出来るところなら何処でも今回はよかった。

最初は杭州に行こうかと計画したけど、片道3時間から3時間半かかるというので、止めた。鹿児島から福岡に行くようなものである。

出来れば、個人旅行で杭州~紹興~寧波を旅したいのだが、ホテルが上海に固定されているので、やはり,勿体無くて、日帰りコースになってしまう。

・・・というわけで、残ったのが、無錫と蘇州だったわけだ。

無錫までが1時間半、蘇州が50分(特快を利用して)ということだから、まず、無錫まで行って、午後から蘇州の戻り、観光してのち汽車で上海に帰る,のはどうだろうか?と深栖コンダクターに聞いてみたところ「無理!無理!やめたほうがいいですよ!」と、一蹴されてしまった。

というわけで、27日は朝、上海賓館から地下鉄「静安寺駅」に行き、上海駅まで人民広場駅で乗り換えて行った。

初めてみる上海駅、というより駅前広場の風景に、しばし、感慨深いものがあった。

いつか、必ず、ここから一人で行動するんだ!という思いが実現しようとしている。駅前の巨大なホテル群、雑踏する人々、そのすべてが自分の想像のフイルムに焼きついていた。現実との一体感にふける瞬間だった。

さすがに駅の切符売り場は大混雑だった。

請給我ニ張去蘇州的軟票。

               ・・・蘇州まで一等席を二枚ください。

票价是多少?

                ・・・・いくらですか?

軟座の列車内はなかなか快適だった。

ただ、あちこちの客が携帯電話で大声でわめくように、喋っているのがうるさかった。

一度に5人ぐらいの客がそれぞれ大声ではなしているとパニック状態になる。

行きは軟座。帰りは硬座だったけど、待合の大混雑の差を除くと、中はさほど変わっているようではなかった。

もう少し、頭の中では、硬座のほうはるつぼって感じをもっていたが、蘇州~上海間は都会の通勤電車(山の手線か中央線)のイメージだった。

蘇州の駅の客引き(観光案内)はすさまじかった。

トイレに行きたくて、聞いたおばちゃんが親切にもトイレの傍まで案内して、出てきたらなんと、待っていた。ニコニコわらって、

「120元でいいから案内するヨ。」という。

「イイヨ。 歩いて回るから・・・」というと、「冗談イワナイデ、イチニチ カカルヨ。」と目をまるくする。

結局、小型のマイクロのお世話になる事になった。

気温が30度以上あり、クルマの中のクーラーがあり難かった。

どの寺や庭園を回ったのかよく分らなかった。

寒山寺と水路めぐりだけはコースにいれてあったので、それだけは伝えていた。「OK!]あとは、帰ってから調べてみたら、あまり、名のあるところは見学していなかったようだ。

もちろん、拙政園・獅子林・留園・虎丘・西園・・・・といった。

ツアーでははずせない名所・旧跡はどこも外れていたらしい。

でも別に不満でもなかった。

というのは、彼等が、一生懸命に中国語で説明してくれるから会話の楽しみは結構あった。

途中、昼ごはんを食べたくて、「どこか、おいしいウドン屋はないか?」と聞くと、「ある、ある!!」と親指を力強く立てた。

案内された街の中の食堂の「皿ウドン」はなかなかのものだった。

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